Precarious Bianco O2 2021 LATTA Vino / プレカリアス ビアンコ O2 ラッタ

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オーストラリア ヴィクトリア

ブドウ品種:ソーヴィニヨンブラン、シャルドネ、ピノ・グリ、ピノ・ノワ ール、ゲヴュルツトラミネール、ヴィオニエ

醸造家のオーウェンが「醗酵のロマンがこのボトルには詰まっている」と語る”混醸継ぎ足し”ワイン。醗酵はピラニーズのSBから始まり、それぞれ収穫され たブドウを全房でプレスし醗酵中の液体に継ぎ足していく(トータル6週間、酸化的に扱う)。そこにスキン・コンタクトさせ16ヶ月タンクで熟成させていた ゲヴュルツ&ヴィオニエをブレンドし、ボトリング。 酸化防止剤無添加、ノンフィルター、清澄剤不使用。

 

2018年にグルメワイントラベラー誌によって「YoungWinemakeroftheYear/最優秀若手醸造家」に選出され、冷涼な気候を有するヴィクトリア州中西部の畑から刺激的なワインを造りだすLattaVino/ラッタの「OwenLatta/オーウェン・ラッタ」。

既にオーストラリアにおいて才能溢れる新世代の醸造家として国内で圧倒的な評価を得ているオーウェン(1984年生まれ)。突如現れた天才のように誤解されがちな彼ですが、実際はオーストラリアのワイン業界が培ってきた歴史が複雑に絡まり、遂に生んだ傑物といえます。

彼の両親が1983年に植樹を始め、1994年に設立したワイナリー「EasternPeak」の2代目であり、文字通りぶどうとワインに囲まれて育ったというオーウェン。EasternPeakは当時から化学的な薬品を用いず、無灌漑(近年では気候変動の影響を受け地下水を最小限で使うことがある)で栽培を続け、ワイナリーにおいても人の手による過剰な介入を避けてきたといいます。そんなオーウェンが醸造家としてデビューしたのは1999年、実に彼が弱冠15歳のときのこと。彼の父親Normanが作業中の事故で離脱してしまい、自然な流れで当時学生だった彼がヴィンテージを担当することになったのです。その後も家業を手伝いつつ、大学でワインサイエンスを修了。2006年にワイナリーを継ぐべく戻
ると、ブルゴーニュを中心としたヨーロッパで研修。その経験から自分たち一族がやってきたことが正しかったという確信を得ると、2012年にはヴィクトリア中西部の畑からの色彩豊かなブドウ(信頼のおける農家からの買いブドウ)で、実験的な試みを多く取り入れたワインをリリースするべく「LATTA」を立ち上げると、瞬く間にオーストラリアのプロフェッショナルたちを魅了していったのです。

元々化学物質に汚染されていなかった自社畑は現在有機農法に移行しており、今後はバイオダイナミック/ビオディナミ農法への移行が進められています。醸造面においても、スキン・コンタクトの白、ミネラル溢れる多品種ブレンド、ネッビオーロのロゼなど溢れんばかりのアイデアによるワインが野生酵母による醗酵、最低限の酸化防止剤以外の添加物不使用という基本アプローチの上で造られています。しかし、若くも老練なオーウェンは「すべては土壌が健全であり、そこにブドウの樹が健全に育まれることから始まる。醸造はその延長線上にあるもので、僕にとっては比較的簡単なもの」と言い切ります。だからこそ評論家のマイク・ベニーをして「若手だが、信じられないほど造り手としての経験の深さを感
じる。間違いなく若手醸造家としてトップだが、近い将来オーストラリア全体のトップに立つだろう」と言わしめる凄みが宿っているのです。