フランス ロワール
ブドウ品種:グルナッシュ
キュヴェ名は日本語名でヤツガシラという鳥の名前を冠しました。21年は雹の影響で収量激減のロワール、南仏の買いブドウを全房でマセラシオンカルボニック後、グラスファイバータンクで発酵、古樽でマロラクティック発酵・熟成しました。透き通った淡いガーネット色、 フランボワーズやスミレ、ナツメグの香り、可憐で綺麗なバランスで 上品なタンニンに摘みたてベリーの酸味が溶け込んでいます。(インポーター資料より)
2018年に誕生したロワールの新規ワイナリーJeremieChoquet、非常に綺麗なワインを産出する若手ですがロワールの有力生産者です。その奥様(正確には籍の入っていないカップルですが)BlandineFlochが新しいワイナリーを立ち上げました。JeremieとBlandineは、ThierryPuzelat氏やLesVinsContesの所で働きながら、2015年に出会いました。そして2018年から一緒にワイン造りを始め、子供も授かりました。しかし残念ですが二人は別々の道を歩む事になります。2020年は権利の関係で2つの会社が同じ醸造所で造りました。なので、彼女の権利の方のワインはDomaineduChatHuantになってJeremieと別のラベルにしました。そして2021年に彼女がやっと醸造所を探し、正式に別れました。同時に彼女はDomaineからネゴシアンに会社を変え、LeChatHuantになります。
Blandineは1986年9月17日ロワール生まれ。アンボワーズのBacProViti-Oenoの醸造学校を出てしっかりと醸造学を学びました。2011年2012年とLesVinsContesの所でワイン造りを学び、その後きちんと現代醸造を学び、そしてVinNatureを選んだのです。筋金入りの醸造家、私が選ぶフランスの女性醸造家best3に入ります。2021年の7月、収穫が始まる前にやっと醸造所の契約を終え、その年の醸造に間に合
いました。彼女もOlivierLemassonを尊敬しております。彼女と色んな話をするとどうしてもオリヴィエの話になります。何故って彼女のワイン造りの原点はLesVinsContesだからです。2021年5月、オリヴィエが亡くなる1週間前に実はフランスでワインサロンがあり、Blandineはオリヴィエと同じブースでした。その時にオリヴィエが彼女に変な質問をしました。「どうしてワインを造っているの?」醸造家が醸造家にこんな質問は普通しません。私は沢山の取材を受けてきましたが、この質問はジャーナリストが必ずしますが、造っている我々にはナンセンスな質問で、個人的には嫌いな質問の1つです。その時はBlandineも変だな~って思いながらも気にしてませんでしたが、その1週間後の事件で彼女はショックを受けました。
2021年VTG、ロワール、特に我々Touraineより北のChevernyは壊滅的な被害を受けました。オリヴィエもBlandineも他の生産者達も9割ものブドウが無くなりました。なのでロワールの皆は南仏の友人たちのBIOのブドウを買って、今年は造ります。皆で南仏に行き、収穫し、トラックを借りてブドウをロワールに運び、そして醸造します。こういう年は皆で助け合います。Blandineが独立した最初の年はこんなに厳しい年になりました。でも商売は不景気から始めろ!こういう年に独立した人は強いです。私は全面的に彼女を応援します。何故って、私は彼女のワインの大ファンです。彼女の方がワイン造りのセンスが上です。私は醸造家であると同時に鑑定家です。客観的にワインを試飲します。悔しいけど、彼女のワイン造りのセンスにはかないません。2018年に彼女がジェレミーと一緒に造ったワインを飲んでショックでした。最初から、それもこんなボロボロの醸造所でこんなワインを造っちゃうなんて・・・凄い事なのです。子供も二人おりまだまだ小さいのでとても大変です。でもパワフルな彼女はその子供達が生きがいで2足の草鞋を履きながらワインを造り続けます。私はその彼女のワインがどんな風に成長するのか見守り続けます。新しい醸造所に移り、最初に訪問したのが私です。これからどんどん沢山の国の輸入会社が訪問するでしょう。彼女色100%になった、本当にピュアなワインを飲んで驚く顔が想像できます。
(2021年9月28日 第1回目訪問 新井順子) ※インポーター資料引用