ドイツ バーデン
ブドウ品種:カベルネ・ブラン
薄く濁ったレモンイエロー。カリン、ピーチリキュール、カルダモン、厚みのある果実風味にスパイスの香り。テクスチャーはミネラリーでスルスルと進みますがコーヒー、ほろ苦いカラメル、スターアニス、薬草、個性ある風味が特徴的。
カイザーシュトゥール地区イーリンゲン村のオーガニックのぶどう(黄土、ローム、火山岩)を使用。手摘みで収穫、選果後、足で破砕し、全房で短時間(5時間)のスキンコンタクト。その後、丁寧にゆっくりとプレス。ステンレスタンクに移し、発酵。シュールリーにて14ヵ月間熟成。ノンフィルター、酸化防止剤なしで瓶詰め。ラベルは、祖母のエリカさんの肖像画で友人のフライブルク出身のマイケルが描いております。カベルネブランは白ブドウの PIWI種です。ヨーロッパとアメリカのブドウ品種の交配種であり、真菌性疾患 (ミルデュー) に抵抗する能力を備えた品種です。農薬散布を最小限に抑えられるので(1回の散布のみ)、このブドウを植えることは非常に持続可能でもあります。ブドウの樹は2016年に植えられ、土壌は火山岩の上にある黄土です。私たちの地域からそれほど遠くない石灰質のジュラ山脈の一部が侵食されました。氷河期の風が、冷えた火山岩の上に黄土(石灰質のローム土壌)を運び、そこで堆積しました。この素晴らしい奇跡的な自然現象のおかげで、私たちは非常に素晴らしいミネラル土壌を手に入れました。これはシャンパーニュ地方やブルゴーニュ地方の土壌に匹敵します。そのため、ピノや他の多くのぶどうの樹もこの土地でよく育ちます。なぜなら、これらの樹はミネラルを簡単に石灰質の黄土から受け取ることができるからです。
Weingut Wihler / ヴァイングート・ウィラー
Ina Luisa Wihler / イナ・ルイーザ・ウィラー
ワインの美しさは、人生と同じように、日々続く物語のよう。ワインは曲がりくねったエキサイティングな道筋を作り出し、のちにしずくの中にたどりつくことができる。
そう熱く語るのが、南ドイツ、バーデン地方カイザーシュトゥールでワインを造る当主のイナ・ヴィーラーさん。常にこのことを意識し、自分の仕事は1年365日の物語を保存することだと言う。彼女の祖父はワイン醸造家だったが若くして亡くなり、祖母が姉とともにワイン造りを引き継ぎ、彼女は、高校卒業後、ガイゼンハイム大学でぶどう栽培を学び、オーストリア、ドイツのワイナリーでビオディナミ農法を勉強した後、祖母の畑を引き継ぎ、2016年に3000本あまりだが、念願の初ヴィンテージをリリースした。現在、美しいカイザーシュトゥールの健康的で健全な畑で、5年間、2.5ヘクタールの畑で農薬などを使わずにぶどうを栽培し続けており、また、1890年遡る古いワイナリーを自分たちで改修中で、温度を一定に保つアースセラーも計画中だとか。祖母と大叔母からインスピレーションを受けて育った彼女は、古くからの伝統と文化を大切にし、自分のワインに家族の歴史の一部を写し出すよう心がけている。