イタリア フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア
ブドウ品種:フリウラーノ
ラディコンやグラヴナーらと考えを同じくし、自然な栽培、醸造に取り組むダリオ・プリンチッチ。2019年までのヤーコットが名前が変わった。ミネラルと果実味がしっかりと詰まった骨太な白ワインです。
樹齢 60 年以上の畑。発酵は開放発酵桶で行い、野性酵母のみ。マセラシオンは 20~30 日間。発酵終了後は健全な澱を残したまま、色々な大きさの古樽に 入れて 30 ヶ月間熟成。その後、アッサンブラージュしてステンレスタンクで 3 ヶ月熟成。ノンフィルターでボトリング。マセラシオンしてもフリウラーノのアロマティッ クでヴェジタルな個性を残している。
ヨスコ・グラヴネルの親友であり、スタンコ・ラディコンやラ・カスッテラーダのニーコとは同級生。 しかし、ダリオは異質だ。彼等が代々続くカンティーナの子供であったのに対し、ダリオはそうではなかった。実際、近隣のレストランやホテルに、食材や、グラヴネル、ラディコンのワインを卸す仕事をしていたのだと言う。
ワイン造りへの情熱をおさえられるわけもなく、1993年から自家瓶詰めを開始。技術的なことの多くはスタンコ・ラディコンから教わりながら、ワイン造りに対する考えを同じくしていった。
ダリオのワインは特別だ。グラヴネルやラディコンにある『難解さ』や『気難しさ』がない。飲み手を試すような素気ない冷たい印象が全くなく、誰にでも近寄ってきてくれる『優しさ』に溢れている。
華やかで豊潤に香るアタックは口中に強烈に長く留まる。しかしながら、長期間のマセラシオンによる『ワインの重さ』はあまり感じさせず、スイスイと飲み進んでしまう、ある意味での『軽さ』がある。
『ワイン造りはスタンコに教わったし、スタンコと同じ気持ちでワインを造っているよ。大切なのはバランスじゃないか?』
ダリオが言うように、彼のワインは全てがバランスしている。長期間の果皮浸透によるタンニンや厚み、柔らかい酸、ポンカ由来の硬さに対して果実のフレッシュ感、濃密で詰まった甘味が高次元でつりあっている。ダリオにしかできない高次元でバランスされたワインと言えるのではないだろうか。