オーストラリア イースタンピーク
ブドウ品種:シャルドネ
自社畑を含む近隣の5カ所の畑(EasternPeake,MountCoghill,TwoMileHill,Pirrepoint&Moonambel)から造られるセカンドレンジ。全て全房プレス、300L&228Lのオーク樽(新樽30%)にて自然醗酵、12ヶ月熟成(MFLあり)。ステンレスにてさらに4ヶ月熟成、少量の亜硫酸と共にボトリング。清澄剤不使用、ノンフィルター。
アカシアやライラックに黄桃、さらにはバターやヨーグルトといったリッチな華やかさと、冷涼気候ならではの繊細さとミネラル感。余韻も素晴らしい。
「WesternVictoriaChardonnay/ウェスタン・ヴィクトリアシャルドネ2021」は今年からリリースされたイースタン・ピークにとってのエントリーキュヴェで、自社畑および周辺の畑からの買いブドウを含みます。
アカシア、ライラックに洋ナシやバナナ、黄桃などといった華やかでリッチなアロマと、冷涼気候ならではの高い酸とミネラルが繊細に絡み合うイメージ。樽感は上品で、バター&ビスケットが浮かびますが同時にヨーグルトも。余韻が長く全体を通すとクラシカルながら、やはりオーウェン・ラッタらしさがテクスチャー&ドリンカビリティに現れる美味しいシャルドネです。
EasternPeak/イースタン・ピークはヴィクトリア州バララットの町から25kmほどの距離にあるコグヒルズ・クリークに位置しているワイナリーで、オーストラリアが誇る新世代ラッタの醸造家OwenLatta/オーウェン・ラッタの本拠地。元々このワイナリーの2代目として生まれたオーウェンが自身の手でより幅広い産地・品種からクリエイティブに挑戦をするために立ち上げたのがマイクロネゴシアンレーベルであるLATTA/ラッタであり、自らの手で栽培した自社畑のブドウ、それも主にシャルドネとピノ・ノワールから生まれるいわばドメーヌものがこのイースタン・ピークなのです(ただし、一部セカンドレンジには買いブドウも含まれます)。
イースタン・ピークの畑は標高430mに位置している丘陵地で、土壌は鉄を含んだ粘土質と玄武岩を含むローム質。冷涼な気候かつ病害のリスクが低く、シャルドネとピノ・ノワールの産地として理想的なテロワールです。元々ワイン産地ではありませんでしたが、そのポテンシャルを見出したオーストラリアの伝説的な醸造家である故TrevorMast氏のアドバイスに従ってオーウェンの両親が1983年にワイナリーを設立しました。つまりオーウェンはここでブドウ畑に囲まれて育ったわけですが、環境とは恐ろしいものでオーウェンが弱冠15歳の時には既に醸造に携わっていたと言います。2018年までは無灌漑で化学薬品なども使用せずに栽培を続けていましたが、2019年に未曾有の旱魃を経験したことで気候変動に対応する必要性を痛感、より環境に負荷をかけない設備を購入することで地下水を最低限活用することに。現在はビオディナミと量子農業の考え方を取り入れながら、オーウェン自らが信じる有機栽培に取り組んでいます。
ネゴスレーベルである「ラッタ」と同じくイースタン・ピークにおいても全てのワインは土着の野生酵母によって自然醗酵され、ボトリング時に添加される少量の亜硫酸以外は用いず、フィルタリングも清澄剤も使用しません。しかしオーウェンが「偉大な醸造家がそのDNAをワインに残すことはできないけど、ワインは常にブドウが育った土地を反映させたもの。だからこそ真に素晴らしいワインというのは優れたテロワールを有し、適切に栽培管理された畑から生まれるんだ」と語るように、イースタン・ピークの真髄はその畑に宿っているのです。