ニュージーランド セントラルオタゴ
ブドウ品種:ピノ・ノワール
リース契約終了に伴い現時点では最後の生産となってしまう 2021 年のランソリット。 “L’insolite”=「奇妙な」と名付けられる限定生産のキュヴェで、 Northburn の畑から収穫されたピノ・ノワールを全房醗酵で仕込む。100%全房のままカーボニック・マセレーション。その後人の足で破砕され自然醗酵およびバスケットプレス。タンクで落ち着かせた後古樽で 15 ヶ月熟成。瓶詰めまでに計 15ppm の亜硫酸を添加。無濾過、清澄剤不使用。
全房醗酵100%で仕込まれる限定生産のピノ・ノワール。先に触れたノースバーンの畑から得られるピノ・ノワールから数樽のみ生産されてきましたが、ノースバーンのリース契約終了に伴いこのランソリットの生産も今回が最後ということになってしまいました。
Sato Wines / サトウ・ワインズ
“ヴィニュロン”を自称される(注:畑での作業を第一優先とする醸造家はWinemakerという肩書きを避けることがある)佐藤さん夫婦が、弛まぬ努力によってようやく得られた高品質なブドウからサトウ・ワインズのワインは産まれます。
ワイン伝統国の偉大な造り手たちから学び大きな影響を受けた彼らは「優しくて、繊細でしなやか、かつ滑らかな口当たりで飲み手を癒してくれるようなワインを造りたい」と、オーガニックもしくはビオディナミ農法で栽培されたブドウを、添加物を一切用いることなく(ボトリング前の少量の酸化防止剤を除く)丁寧に醸します。生み出されるワインはセントラル・オタゴの冷涼かつ寒暖差の大きい気候の恩恵をしっかり享受しつつ、体に染み込むようなコクと生命力に溢れたエネルギーを感じさせながら上品さがあり、心地よい余韻へと続いていく素晴らしいもの。その根底には、「可能な限り、畑からボトルの中へと引き継がれる調和した微生物環境を壊したくない。正しくテロワールとヴィンテージが反映されたワインを造りたいんです。“美味しいワインは文字通り生きている”と信じているからです」と語る佐藤さん夫婦の確固たる信念があります。
「何よりまずワイン造りを行っている土地に敬意を払うことが大切です。したがって私たちはブドウの栽培はオーガニックないしはビオディナミ農法でなされるべきだと信じていますし、ブドウは人の手による介入を最小限に抑えてワインへと生まれ変わらせるべきだとも信じています。生命力に満ちた健康的なブドウを収穫できるセントラル・オタゴというこの美しい土地のテロワールが反映された“混じりけのない生きたワイン”を造り出すこと、その挑戦に私たちは心を昂らせないわけにはいかないのです」…嘉晃氏が語るこ
の言葉こそにサトウ・ワインズの魅力が最も端的に現れており、我々はワインの中にそれを確かに見て取ることができるのです。