オーストラリア アデレード・ヒルズ
ブドウ品種:サヴァニャン
2019 年末に発生した大規模な山火事によって焼け落ちてしまったサヴァニャンの畑から造られた BK版ヴァン・ジョーヌ。除梗しステンレスタンクにて野生酵母による自然醗酵、約1カ月の間スキンコンタクト。さらにフロール(産膜酵母)と共にオーク樽(225L)で 4 年間熟成。酸化防止剤不使用、清澄剤不使用、ノンフィルター。
脳が痺れるような旨みに満ち溢れた素晴らしい液体だが、残念ながら今後の生産は当面の間見込めない。
極めて熱狂的なファンが多い特別なワインでしたが、非常に残念なことに2019年末にアデレード・ヒルズで発生した大規模な山火事によってソースとしていた畑が焼け落ちてしまったため、この畑のサヴァニャンから生産できた最後のVTがこの2019年ということになります。実に4年もの間酸膜酵母と共に酸化防止剤無添加で熟成させていたサヴァニャンは輝くようなゴールドカラーとなり、その液体は口に含むと一瞬で意識をもっていかれるほどの旨みとも言うべき味わいのエネルギーを備えています。ボトリングに際しても酸化防止剤無添加ですが酒質は極めて安定しており、全てのBKファンを魅了することは間違いありません。
BK Wines / BK ワインズ
醸造家BrendonKeys/ブレンダン・キースによって2007年、南オーストラリア州アデレード・ヒルズに設立されました。ブレンダンはNZ生まれ。当初シェフとしてキャリアをスタートさせましたが、すぐにその情熱はワインへと向くことになります。NZのギズボーンでワインメーカーとしての歩みを始めたブレンダンは、カリフォルニアに移り、オーパス・ワンの醸造ヘッドを務めていたポール・ホブスの元でスキルを磨きます。その後2004年にはポールに乞われアルゼンチンのヴィーニャコボスの設立に参加。しかしポールを尊敬しながらもブレンダンは、JuraやAlsace,Burgundyのナチュラルでありながらモダンなスタイルのワインに傾倒していき、2007年、ついに自らの夢を果たすべく小さなワイナリーをアデレード・ヒルズの森の中に興しました。
ブレンダンの目指すスタイルはナチュラルですが決して懐古的ではなく、アヴァンギャルドとさえ呼べるものです。野生酵母での醗酵や亜硫酸の最小限の使用(もしくは0)を前提とし、スキンコンタクト・カーボニックマセレーション・全房醗酵、さらには産膜酵母を使った造りなどを、自ら足を運び選んだ単一畑から収穫されるブドウの状態に合わせて多彩に用います。しかし細部にまでブレン
ダンの情熱と最大限の注意が向けられ出来上がるワインは極めて高い完成度を誇り、シリアスな側面とフレンドリーな表情を併せ持つ見事な個性を獲得しています。我々は彼のワインを飲むことで、底知れないブレンダンの世界を覗き見ることになるのです。