フランス コート・デュ・ローヌ
ブドウ品種:クレレット60%、ルーサンヌ40%
樹齢60年の低収量のブドウから生まれるアペラシオンの特性を見事なまでに表現した1本。熟した洋ナシ、白桃、アカシアの香りがグラスから溢れ、口に含むとその香り高さと凝縮感にうっとりさせられる。リッチで長い余韻を持つフルボディで、フレッシュさと繊細さ、そしてエレガンスのバランスが素晴らしい。果実とテロワールの魅力をダイレクトに感じることができる美しいワイン。
Famille Isabel Ferrando / ファミーユ・イザベル・フェランド
スタートから僅か4年後の2007ヴィンテージで「将来伝説となる」という最高の賛辞ととも に一躍脚光を浴びはや20年。パーカー100点生産者がワイナリー名を改め、家族一丸と なって新たな挑戦へ。新生イザベル・フェランドのワインに世界が注目している。
2002年にイザベル・フェランドが取得したことによって復興され、一躍注目を浴びたドメーヌ・サン・プレフェール。20年間に及ぶ経験の中で、土壌、品種、各畑への理解が深まったという当主イザベルは、2022年に満を持してワイナリーの新たな歴史の幕を開く事を決意し、ドメーヌ名をファミーユ・イザベル・フェランドへ一新した。
このエリア出身のイザベルはフランスの大手銀行クレディ・アグリコルでワイン生産者への融資を担当していた関係から、多くの生産者と知り合う機会に恵まれ、生産者との交流を通じてワインのテイスティングやワイン造りを学び始めた。ワインへの情熱をどうしても諦めきれなくなったイザベルは、ワインメーカーに転身するという決意を家族に打ち明け銀行を退職。故郷カルパントラ村に戻って農業学校に通い見習いワインメーカーとしてのキャリアをスタートさせた。特に親交の深かったシャトーヌフ・デュ・パプのトップドメーヌ、アンリ・ボノーのもとで修行を行い、故郷に程近い同地に念願の自分のドメーヌを持つに至った。
2003年の初ヴィンテージでいきなり専門各誌にて高評価を獲得し、イザベルは一気にこの地の最高峰へと上り詰めた。スタートからわずか4年後の2007ヴィンテージではロバート・パーカーから「完璧なワイン」、「将来伝説となる」という賛辞と共にスペシャル・キュヴェのコレクション・シャルル・ジローに100点が贈られた。その後、2010ヴィンテージで再び100点を獲得し、トップドメーヌとしての確固たる地位が確立された。
畑はシャトーヌフ・デュ・パプに24ha、コート・デュ・ローヌに8ha所有し、栽培は全てオーガニックで除草剤を一切使用しない。畑は丹念に手作業で手入れされている。収穫時には暑さでブドウが痛まないように朝にのみ手摘みで収穫を行う。完熟した粒のみを摘むために一粒一粒の状態を確認し、収穫には4週間もの長い時間を費やす。彼女の信念は「偉大なワインは偉大なブドウからでき、その姿はまず畑に現れる。セラーでの仕事を1とするなら畑での仕事にはその4倍の労力をかける」。その言葉通り一切の妥協をしない彼女の畑に対する真剣な姿勢から、最高峰のワインが造り出されるのだろう。
更なる進化を遂げる為、2021年から白ワインにおいてはワインの純度を高める目的で従来のドゥミ・ミュイに加えステンレスタンクやガラス製の容器を導入。赤ワインにおいてはコンクリートタンク、トロンコニック型の大樽、ドゥミ・ミュイを繊細に使い分け、さらに新規でアンフォラも導入している。
娘のギヨメットが本格的にワイナリーに参画したタイミングでもある2022年にワイナリー名を改めたことは、家族が一丸となって更なる新たな挑戦へ一歩踏み出す決意を表している。またそれと同時にシャトーヌフ・デュ・パプの古くからの伝統である単一ブレンドのワインへの回帰を実現した。WineAdvocateは新生イザベル・フェランドに対し、「このドメーヌはこれまでも金字塔を打ち立ててきたので、消費者は新しいラインナップに期待するはずだ。圧倒的な需要のため、価格はこれからも上がる一方だろう」との言葉を送っている。
アンリ・ボノーと共に基礎を築いた彼女のワイン造りは、誰もが驚く程の勢いで今も大きな進化を続けており、これからも世界中のワイン愛好家の垂涎の的であり続ける事は間違いない。