「オーストラリアを代表する品種になるかも知れない」 とまで醸造家が考えるネロ・ダーヴォラの赤。除梗し圧搾されたブドウは野生酵母による自然醗酵(約 14 日間)、プレスし古樽(300-400L)で約8ヶ月熟成。少量の酸化防止剤と共にボトリング。ノンフィルターおよび清澄剤不使用。クリアな赤~黒の色合い。梅やカシスといった小粒の赤黒果実を凝縮させた濃厚さと、口をすぼめるほどの自然な高い酸。
今やオーストラリアにおいてのメジャー品種とも言えるほどに人気になってきているネロ・ダーヴォラ単一品種から造られる赤。オーストラリア内陸部の暑く乾燥した気候に適応したブドウは凝縮感がありながらも小粒で可愛らしいフルーツ感に好ましい酸があり、オルタナティブ品種栽培の合理性を見事に証明しています。透明感のある赤黒の色合い、香りをとると酸のある梅や紫プラム、それに紫蘇といった要素がパッと立ち上がります。口に含むと存外凝縮感のあるジャミーな果実味が広がり、しかし同時に口をすぼめたくなるような酸(VAもあります)も。ナチュラル感強めの赤と言えそうで、到着したらすぐに開栓せずにすこし休ませてあげた方が良さそうです。
Delinquente=「はみ出し者」を自称するデリンクエンテのオーナー醸造家 Con-Greg Grigoriou / グレッグ・グリゴリオは南オーストラリア州リヴァーランドで生まれ育ち、その地で栽培されていたネロ・ダーヴォラやビアンコ・ダレッサーノといった南イタリア原産のオルタナティブ品種に注目。有機栽培されたそれらオルタナティブ品種から、クリーンかつフルーティで誰もが気軽に楽しむことができるナチュラルワインをリリースし一躍オーストラリアのみならず世界的な注目を集めました。特徴的な顔がデザインされたラベルは一度見たら忘れられないインパクトで、日本では“変顔ワイン”として圧倒的な人気を誇っています。
そのデリンクエンテが限定数でリリースする上級レンジに相当するワインが Hell / ヘル(悪夢、地獄)と名付けられた本シリーズ。こちらではイタリア系のみならず、アリントやトウリガ・ナショナルといったスペインやポルトガル系のオルタナティブ品種にまでグレッグの興味は広げられています。そしてリヴァーランドという産地が持つポテンシャルを最大限まで表現するため、 ヘルシリーズはしっかりと熟成期間を経てからリリースされるため、デリンクエンテ特有の親しみやすいフルーツを備えつつも、より奥行あるテクスチャーに優れたクオリティへと仕上がっています。